鉄道関連

JR東日本 上越新幹線における終電時刻の繰り上げについて(2026年春から)

JR東日本は、上越新幹線において、鉄道工事の効率化と安全性の向上を目的に、2024年春から終電時刻を繰り上げます。

これにより、深夜帯の作業時間を拡大し、増加するリニューアル工事や地震対策工事を着実に推進するとともに、鉄道工事における働き方改革の実現を目指します。



背景
新幹線設備のリニューアル工事
東北・上越新幹線では、今後10年間でレール約400km、架線約800kmの交換をはじめ、設備リニューアル工事が大幅に増加する見込みです。

加えて、橋りょうやトンネルなどの土木構造物の大規模改修も計画しており、長期的かつ集中的な工事が必要となっています。


工事従事員の減少と働き方改革
JR東日本管内の軌道工事従事員数は10年前と比べて約20%減少しており、今後も減少傾向が続くと見込まれています。

また、2024年から建設業にも「働き方改革関連法」が適用されることを踏まえ、JR東日本としても労働環境の改善と生産性向上を両立させる取り組みを進めます。

 

地震対策工事の拡大
新幹線を地震から守るため、以下の3分野で地震対策工事を強化しています。

線路の地震対策(レール転倒防止)
車両逸脱を防止する装置の設置により、地震時の安全性を向上します。

トンネルの地震対策(剥落・隆起防止)
補強部材を打ち込むことでトンネル構造を強化し、壁裏空洞の充填工事も実施します。

電柱の地震対策(折損防止)
コンクリート柱の鋼管柱化や鉄板補強により、地震動に対するじん性を高めます。


着実な工事推進のための対応
大型機械の導入拡大
少人数でも効率的に施工できるよう、大型機械を用いた工事手法への転換を進めています。

過去10年間で大型機械は約25%増加しており、今後もさらなる導入を推進します。


終電時刻の繰り上げによる作業時間の確保
在来線では、2021年3月に実施した終電繰り上げによって約1割の施工効率向上が確認されています。

この効果を踏まえ、上越新幹線でも終電時刻を約20分繰り上げ、作業時間を拡大します。

これにより、工事の着実な推進と、夜間作業従事者の負担軽減を両立します。


実施時期と今後の展開
ダイヤ見直し実施時期:2026年春(予定)
一部区間では、接続する在来線の利便性を確保できるよう調整を行います。

また、東北・北陸新幹線での作業時間拡大についても、今後の状況を踏まえ検討を継続します。

 

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