開発の目的
現行の検測車「East-i」の後継として、AI・DX技術を活用した自動・遠隔検測を実現。
より高速・高精度・省人化されたメンテナンス体制を目指します。
将来的には、営業列車と同様に自動運転の導入も検討されています。
概要
車両形式
E927形(新型新幹線検測車)
検測開始時期
2029年度予定
検測エリア
東北・上越・北陸・山形・秋田新幹線
最高速度
320km/h
主な検測装置・機能
軌道変位検測装置(レールの歪みを測定)
East-iでは複数センサによる距離測定方式を採用していましたが、275km/hを超える高速検測に課題。
新方式では、床下の1装置にセンサを集約し、ALFA-Xで開発した2次元レーザー多点測定技術を導入。
より細かく正確なデータ取得を可能にし、高速走行下での安定した高精度検測を実現します。
電車線金具モニタリング装置(電車線金具の状態把握)
従来の人力による近接点検を廃止。
カメラで撮影した画像をAIが解析し、金具を自動検知。
設備の良否をスクリーニングすることで、検査品質と効率の向上を図ります。
トロリ線状態測定装置(摩耗・高さなどを検測)
現行方式(レーザー反射による直径測定)から、スリット光+カメラ撮影による形状分析方式へ変更。
撮影画像からトロリ線の断面形状や位置を解析し、摩耗状況をより高精度に把握します。
デザイン(カラーリング)
デザインはJR東日本グループ社員の公募作品から選定予定。
デザイン監修:E10系を手がけた tangerine社 が担当。
選定された社員案とtangerine社が共同で、2026年夏頃までに最終デザインを完成させます。
今後の展開
新幹線専用検測車「E927形」と、ベースとなる次期秋田新幹線車両の詳細仕様は、決定次第別途公表予定。
JR東日本は、AI・DX技術を活かした次世代メンテナンスの実現を目指し、安全・安定輸送を支える新たな検測体制を構築していきます。