概要
JR東海は、東海道新幹線における軌道・架線・設備の点検を、従来の専用検測車「ドクターイエロー」に頼らず、営業車両で効率的に実施できる新技術を開発しました。
これにより、検測頻度の向上とコスト削減を実現し、安全性のさらなる向上を目指します。
運用開始予定:2027年1月
新たな技術のポイント
軌道検測システム
従来はレーザ光を通すために車体床面を底上げする必要があり、客室の天井高が低くなるため営業車に搭載不可でした。
新システムは、レーザ光を使わず、1台車だけで軌道を測定可能。営業車両での検測を可能にしました(特許出願済)。
現状
今後
架線検測装置
これまでのドクターイエローでは、測定専用パンタグラフにセンサを搭載して架線を点検。
新技術では、集電用パンタグラフ付近に設置した3台のカメラで架線を撮影・解析し、異常を自動検知。
専用パンタグラフは不要となります。
現状
今後
先頭車画像装置
営業車の運転台に設置したカメラで、電線や電柱などの支障物を高速走行中に自動検知。
画像処理・AI技術を活用した国内初の装置です。
現状
今後
期待される効果
ドクターイエローに頼らず、営業車だけで軌道・架線・設備の検測が可能に。
従来社員が目視で行っていた点検も一部自動化できるため、人件費・車両コストの削減に貢献。
検査頻度の向上により、東海道新幹線の安全性をさらに強化可能。