運転士研修の概要
JR東日本では、インド高速鉄道公社の研修員を対象とした運転士育成研修を実施しています。
研修は、「学科講習」と「技能講習」の2つで構成されており、新幹線に関する運転システムや車両構造、軌道、電気設備などの基礎知識を学ぶ座学に加え、実際の運転操作や車両点検、応急対応などの実践的な技能も習得していきます。
現在、福島県白河市にあるJR東日本総合研修センターにて学科講習が進行中です。
学科講習の修了試験は7月末に行われ、合格者は2025年8月21日から2026年1月末まで実施される技能講習に進む予定です。
この研修カリキュラムは、JR東日本の新幹線運転士養成課程(新幹線電気車運転講習過程・新規)に準じた内容ですが、研修員に日本の新幹線運転免許の取得を目的とするものではありません。
技能講習の内容
技能講習の一環として、研修員は見習い運転士として実際の新幹線を運転し、高速鉄道を安全かつ確実に運行するために必要な技術を身につけていきます。
訓練は主に上越新幹線(東京~新潟間)を使用し、JR東日本の指導運転士が常に同行して指導を行います。
研修員は、日本語での基本的なコミュニケーション能力も備えており、必要に応じて通訳者も同伴します。
また、運転訓練中に万が一輸送上のトラブルが発生した場合は、指導運転士が責任を持って対応する体制が整っており、通常の運行への影響はありません。
その他の情報
今回の研修に参加している16名の研修員は、いずれもインド国内で鉄道運転士としての実務経験を持ち、日本国内で運転業務を行うために必要な適性検査にも合格しています。
この研修は、国際協力機構(JICA)が実施する本邦研修の一環であり、JR東日本グループの日本コンサルタンツ株式会社がその業務を受託し、JR東日本と連携して実施しています。