
JR四国では、環境性能の向上と地域輸送サービスの充実を目的に導入を進めている3600系ハイブリッド式ローカル車両の量産先行車(2両1編成×2本、計4両)が完成しました。
本形式は、環境負荷低減・安全性向上・快適性向上を実現する次世代の地域輸送車両です。
Contents
完成両数
-
量産先行車:4両(2両編成×2本)
車両概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定員(2両編成) | 272名 |
| 最高運転速度 | 100km/h |
| 車体 | ステンレス鋼製 |
| 床面高さ | 1,140mm |
| 駆動システム | ハイブリッド式(2軸駆動) |
| エンジン | 450PS ×2 |
| バリアフリー設備 | 車いすスペース、車いす対応トイレ |
| その他設備 | ワンマン運転対応装置 |
| 配置区所 | 徳島運転所 |
デザイン
エクステリアデザイン
ステンレス車体をベースに、四国の海や空の爽やかさを感じさせるライトブルーを配色しました。これを縁取るゴールドのラインと側面ストライプは、空から海・川へ降り注ぐ光をイメージし、四国の豊かな自然環境を象徴しています。
量産先行車には「SHIKOKU Hybrid Vehicle 3600」の表記と“きらめきの雫”をあしらった特別仕様とし、ハイブリッド車ならではの環境調和性を視覚的に表現しました。
インテリアデザイン
車内は木目調の床を基調とし、明るく清潔感のある布目地、アクセントとなるグレーブラウンを組み合わせた壁面で構成。自然の温もりと機能性を両立した上質な空間を演出します。

座席袖壁には柔らかな曲線を取り入れ、前面窓まわりのカーブラインと呼応することで外観と内装の統一感を創出。
座席モケットは外観と同様に四国の海・空をイメージしたブルーを基調とし、光のきらめきを多彩な色調で表現しています。

優先席には色弱者にも識別しやすいグリーンを採用し、四国の山々を表現。植物の芽吹きをイメージしたモチーフを散りばめ、環境に優しいハイブリッド車を象徴するデザインとしています。

車両の特徴
安全性・信頼性の向上
複雑な気動車の回転部品を使用しないハイブリッド構造により、構造の単純化と信頼性向上を実現。
快適性の向上
駅停車時のアイドリングストップにより静粛性が向上。
また、気動車特有のギアチェンジによる衝動がなく、滑らかな走行が可能です。
環境負荷の低減
蓄電池に貯めた電力を走行やサービス電源に使用し、燃費向上とCO₂排出量の削減に貢献。
メンテナンス性の向上
電車と同様のシステムを採用することで、保守作業の効率化とコスト削減を図ります。
客室設備
-
室内レイアウトはロングシートを基本とし、トイレ未設置車(Mc2)に一部クロスシートを配置
-
初採用の電気式戸閉装置により、ドア挟み時の自動開放機能で安全性を向上
-
液晶式情報表示器を設置し、案内情報をわかりやすく提供
-
LED照明を採用し、省電力化とメンテナンスの軽減を実現
-
車いすスペース・車いす対応トイレなど、バリアフリー整備ガイドラインに対応
-
車内およびトイレに非常通報装置(SOSボタン)と防犯カメラを設置し、安全性を確保

導入計画(予定)
-
2026年1月:性能確認・走行試験を開始
-
教育・訓練を進め、2026年6月の営業運転開始を目指す
-
正式な営業開始時期は、決まり次第別途お知らせします
-
量産車は2027年度から順次導入し、量産先行車を含め合計35編成(70両)を製作予定
関連記事

