JR東日本は2月17日、宇都宮線で2月8日に発生した停電に伴う輸送障害について、原因および再発防止策を同社公式サイトで公表した。
原因は、古河~野木間における架線(トロリ線)の管理が適切に行われず、摩耗が進行した結果、断線に至ったこととしている。
停電の概要
停電は2月8日23時16分頃、栗橋~間々田変電所間で発生。
確認の結果、古河~野木間で架線(トロリ線)が断線していることが判明した。
この影響により、宇都宮線の一部区間で運転を見合わせ、架線点検および復旧作業を実施。運転は翌2月9日16時34分に再開された。
原因の詳細
問題となったのは「オーバーラップ箇所」と呼ばれる、平行して張られた2本のトロリ線の間をパンタグラフが移行する部分。
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2023年4月7日の至近距離検査で、片方のトロリ線に摩耗の進行を確認
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張替えを計画したものの、誤って別の平行トロリ線を張り替える計画としてしまった
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摩耗が進行していた線が残置され、断線に至った
さらに、
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現地で不具合を確認した作業責任者と工事計画者が直接打ち合わせを行わなかった
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2024年5月および2025年5月の架線設備モニタリング検測でも、当該箇所を要注意箇所として抽出できなかった
といった、確認体制および情報共有の不備も明らかになった。
全面点検の実施状況
同社は今回の事態を受け、
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トロリ線のオーバーラップ箇所 計9,106カ所
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在来線:6,894カ所
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新幹線:2,212カ所
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を点検し、2月13日までに異常がないことを確認した。
また、今回と同様の手法で検査した箇所についても、4月22日までに追加確認を進めるとしている。
再発防止策
再発防止に向け、以下の対策を講じる。
① 張替え工事における確認強化
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作業責任者と工事計画者が図面を用いて相互確認
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張替え工事完了後、現物で不具合が解消されていることを確認
② 架線設備モニタリング体制の強化
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撮影画像を複数人が同時に確認する体制へ変更
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DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
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定期的な教育の実施
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各職場にモニタリング業務の中心社員を指定し、技術力向上を図る
まとめ
今回の輸送障害は、計画段階での確認不足と情報共有の不徹底、およびモニタリング体制の不備が重なって発生したものといえる。
JR東日本は再発防止策を徹底するとしており、今後の保守管理体制の強化と安全確保の取り組みが注目される。